前回、Windows Vista のコラムを書いた次の日に、Microsoftが日本でのWindows Vista の記者説明会を行い、Vista の解説が行われました。
その日は、ビル・ゲイツまで駆けつける熱の入れようでした。
■マイクロソフト、Windows Vista記者説明会を開催
■「日本企業は世界に影響を与えてきた」〜米Microsoft ビル・ゲイツ会長が来日
様々な新機能の紹介や、Vistaのバージョンの違いにより Aero Grass の搭載/非搭載が再度確認され、来年には必ずVistaを発売するとの約束を表明するなど、気合いの入った記者説明会だったようです。
個人的にはVista全部が楽しみですが、私は実は、表立って紹介される機能とは別のところに大変注目しています。
それは、Vistaの画面紹介の一部で垣間見られたので、ここで取り上げたいと思います。
記者説明会で紹介された画像の一部
この画像を見て、気づいた人がいるでしょうか?
これから取り上げる問題は、実はとても大事なことなのに、誰もそれを声高に叫ばなかった重大な事なのです。
いわば「
井の中の蛙大海を知らず」と相通じるところがあります。
難易度:下
まず、これを見てください。
WindowsXP上で見た
FireFoxのホームページ(一部分)
MacOSX上で見た
FireFoxのホームページ(一部分)
以前、別のホームページで同様のコラムを書いたことがありましたが、この違いをどう感じるでしょうか?
MacOSXのホームページ表示の方が抜群に綺麗なことがわかると思います。
これは、Windowsしか使ったことが無い人には、体感できない現象であり、それはとても不幸なことだと思います。
つまりWindowsというものがアメリカで生まれたOSですから、日本語表示に関してはそれほど考慮していなかった、ということなのでしょうか。
※MacOSもアメリカ育ちですが、画面周り(GUI)の設計思想の違いが出ていますね。
分かりやすく言いますと、画面に表示する文字(スクリーンフォント)のデザインは、アルファベットでは僅か26文字+記号のデザインだけですみます。そのため、ヨーロッパ圏では、既に完成されたフォント(Timesなど)があるため、特に気にすることなく表示に使われていました。
しかしアルファベットに比べて日本語の場合は、ひらがな/カタカナ/漢字と、非常にたくさんの形の複雑な文字が存在します。明朝・ゴシックといった2種類のフォントを用意することでさえ、文字の設計・制作に大変な労力が必要になります。
<フォント制作の実際を紹介するページ>
■ゆたかな文字文化を創りあげるために
そんな中 Microsoftは Windows95の時代から、MS明朝、MSゴシックをそのまま使いつづけてきました(Pの入った、プロポーショナルフォントを入れて4種類)。これは、WindowsXPになっても変わりませんでした。
それがようやくVistaになって、表示フォントが変わるのです。
※Microsoftが他社から購入したフォントかもしれません。
※これは、モニターのほとんどが液晶になったこととも関係しますが、それはまたいずれ。
とにもかくにも、次期Vistaではようやく、ホームページがとても読みやすくなるのです。
これまで、Windowsを使いつづけていた人たちの中には、ホームページが読みにくいため文字を大きく表示している人もいると思いますが、実は読みにくいのは、文字の大きさのせいではなく、フォントのせいだということがこのVistaで分かることとなるでしょう。
これまでTVのニュースなどで、ホームページの画面が紹介されるたびに「MacOSのホームページ画面ならもっと読みやすいのに」と思ってきましたが、VistaでようやくMacOSに追いついたという感が無きにしも非ずです。
正直なところ、この点だけでも、Vistaを買う価値があると思います。
だって、ホームページはほとんど毎日見るものですからね。